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ケイガイ(荊芥)

商品写真
上・中:武田薬品 京都薬用植物園 
下:京都薬科大学 御陵園 花が終わった後の花穂

ケイガイ(荊芥)Schizonepeta tenuifolia Briquet
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     シソ科 Lamiaceae シゾネペタ属Schizonepeta

  英名:ジャパニーズ キャットニップ  Japanese Catnip

生薬名  :ケイガイ(荊芥)ケイガイ(荊芥穂)
利用部分 :花穂(開花期)
利用   :日本薬局方生薬、漢方処方薬
名前の由来:属名シゾネペタSchizonepetaはギリシャ語のスキゾー「裂く、分割する」
      +イヌハッカ属Nepetaから。シゾネペタ属の植物がイヌハッカ属と似ているが
      葉が細かく裂けているため別属に。

ケイガイ(荊芥)は神農本草経には味や香りがシソに似ていたから仮蘇の名で収載されていた。
後にその辛さから生姜や芥子の辛さを当て薑芥と呼ばれていたのが、さらに薑が荊が転じたと言われている。
中国北部原産の1年草、中国の大部分の地区に分布し広く栽培されている。韓国、北朝鮮にも自生し、日本には野生しない。少量栽培されるのみで輸入に頼っている。草丈は60〜90cm。方形の茎は直立し上部で多数に分岐する。対生する葉は3〜5羽状に深く裂ける。裂片は全縁で線状。初夏、穂状の輪散花序に淡紫色の小さい唇形の花を咲かせる。花を観るとシソ科なのだなと実感する。花は下から順次上へ開花していく。

花穂の開花が半分以上咲いたころ刈り取る。8月下旬から9月中旬が収穫期。日干し乾燥する。
漢方では全草をケイガイ(荊芥)と言い、清油を含み発汗、解毒薬として漢方処方に配合される。
茎葉の混入がない花穂を、ケイガイ(荊芥穂)といい、良品とされている。


主な成分
  精油:メントン、リモネン、プレゴン
  モノテルペン配糖体:シゾネペシドA〜E
  フラボン配糖体:ヘスペリジン、ルテオリン   など
利用
 漢方処方用薬で発汗、解熱、解毒、鎮痙作用から皮膚疾患、消炎排膿薬の処方に配合される。
漢方処方例
  ・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょとう)
  ・駆風解毒湯(くふうげどくとう)
  ・十味敗毒湯(じゅみはいどくとう)
  ・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
  ・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)         など

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物(朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書(広川書店)<
  ・最新生薬学 刈米達夫著(広川書店)
  ・生薬単 原島広至著(株式会社エヌ・ティ・エス)

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