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サルナシ（猿梨）

商品写真
上：大阪薬科大学　薬用植物園
中：祖谷のかずら橋
下：かずら橋架け替え作業手順紹介

サルナシ（猿梨）Actinidia arguta Planch　ex Miq
　　真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク亜綱Asteridae　
　　　ツツジ目Ericales
　　　　　　マタタビ科 Actinidiaceae　マタタビ属Actinidia

別名：シラクチズル　コクワ

利用部分　 ：�＿娘臓´¬◆ー�皮　��根
利用　　　 ：�／�用、果実酒（薬用酒）　��綱材、工芸品　�Ｌ�用
名前の由来 ：猿の好物で色と味がややナシに似ているのでサルナシに。

北海道、本州、四国、九州などの低山地の林内に自生する大型の落葉性の蔓性植物。アジア東北部にも分布する。
樹木や岩などに絡み幹は３０ｍ、幹の太さは１０〜１５ｃｍにもなる。この蔓状の幹は極めて丈夫で腐りにくいことから木曽川などでは“いかだや橋材をしばる”のに利用され木曽地方では、イカダムスビの方言が使われる。徳島県祖谷川のかずら橋（国指定重要有形民俗文化財）の材料もサルナシが使われる。

互生する葉の葉柄は赤い。葉の長さは５〜１２ｃｍ、楕円形または広い楕円形で先端は尖り、縁は棘状の鋸歯がある。表面は緑色、光沢があり裏面は淡い緑色。雌雄異株、または雌雄雑居性で雄花、雌花、両性花がある。5〜7月、新枝の葉腋から集散花序を伸ばし、直径1〜１.５ｃｍの白い5弁花を咲かせる。雄花序には３〜７個。雌花、両性花は1〜3個の花がつく。

花後、長さ2〜2.5ｃｍ程、広楕円形で薄くなめらかな果皮の果実が実る。熟すと淡い緑黄色になる。果肉は淡緑色で良い香りがし甘酸っぱく美味しい。中は多数の黒く柔らかい種子は入っている。猿は無論、人も好んでたべる。果実酒にも珍重され、滋養強壮、解熱薬にもなる。多くは自然の山採りをするが、山形県、岩手県、福島県などでは栽培もされる。

生薬モクツウ（木通）は通常アケビ科のアケビ、ミツバアケビの茎であるが韓国産では本種サルナシの茎、根が用いられることもある。

祖谷のかずら橋（国指定重要有形民俗文化財）

長さ４５ｍ、幅２ｍ、水面からの高さ１４ｍの吊橋で渓谷祖谷川にかかる。サルナシ（シラクチカズラ）のかずらで作られている。昔平家の落人が追手から逃れるため、橋をすぐ切り落とせるようかずらでかけたともいわれる。風の抵抗を受けないよう橋は隙間だらけで風が吹き抜けるようになっている。隙間だらけの足元から祖谷川の清流が望め、今は観光の名所になっている。かずら橋には太さ２〜３ｃｍのサルナシ（シラクチズル）６ｔが必要だそうだ。。しかしこの太さに成長するには２０〜３０年のかかるので、祖谷だけでは資材の調達は次第に難しくなり、現在、高知県大豊町の国有林から採取しているとのこと。
　　　　　カズラ橋作業１
　　　　　かずら橋、架け替え作業紹介絵図

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）　　
　　・日本の野生植物　木本１　（平凡社）　
　　・原色和漢薬図鑑　　難波恒雄著　（保育社）
　　・食材図典　（小学館）


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