名前から探す ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行    
用途から探す 漢方薬 製薬基源植物 日本薬局方生薬 民間薬・薬用 ハーブ・サプリメント 香料・香辛料 食用と嗜好品 染色・繊維 油脂 鑑賞用・その他    

ニンジン(人参)

商品写真
上・中:大阪市立長居植物園 ニンジンの花
下:鶴見緑地花博記念公園 ニンジンの葉 隣はダイコン

ニンジン(人参)Daucus carota Linne
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>
キキョウ群Campanulids   
   セリ目Apiales     
     セリ科UmbelliferaeApiaceae)ニンジンDaucus

栄養豊かな健康野菜

利用部分  :根 葉
利用    :食用
名前の由来 :根の形が先に渡来していた薬用の”チョウセンニンジン””の根に似ていたのと、葉の形
      がセリの葉に似ていたので、当初は区別し”セリニンジン”の名で呼ばれていたのが、
      野菜としての需要が定着化、いつしかセリが取れニンジンと言えば野菜のニンジンを
      指すようになった。

ニンジンにはヨーロッパ系と東洋系の2つ系統がある。

原産地はアフガニスタン。トルコで野生種と交雑し12世紀頃ユ―ロッパに伝わったと推測される。
紫色、黄色の長根種が普及したが、橙色種がオランダで育成されると、18世紀以降はフランスやアメリカでは橙色短根種が主に育種され、発展しこれが今日のニンジンのヨーロッパ系の基本になっている。

東方へは原産国からシルクロードを経て、元の時代の中国華北に伝わり東洋系として発展した。
日本へは17世紀までには、東洋系長根形が伝わり、後ヨーロッパ系も伝わった。戦前までは東洋系赤長根種が主体であったが、現在は労力が少なくて済む短根のヨーロッパ系が主体になり、東洋系はキントキ(金時)ニンジン以外は栽培されなくなった。

ニンジンの花を観る機会はあまりないが初夏、花茎を伸ばし先端の複合散形花序に小さな白い5弁の花を咲かせる。葉は羽状複葉で2〜3回裂け、小葉は細長い卵型。ニンジンは根を主に食べるが、若葉も食用になる。ビタミンCやビタミンK、カルシウムを含んでいる。葉が入手できれば利用したい。

ニンジンの根は赤橙色をしている。この橙色素は”ニンジンの色”という語源からカロテンと名づけられた。赤色はリコピンで、ともに抗酸化作用があり体内の活性酸素の働きを抑制してくれ、動脈硬化や老化防止に役立ってくれる。カロテンにはαとβがあるがβカロテンは体内でビタミンAに変換される。
皮膚の粘膜保護、免疫力強化、暗闇での視力強化などの作用がある。


その他カリウム、食物繊維も多い。糖分も豊富に含み、栄養豊かで消化吸収もよく血行も盛んにすることから、病気で体力の低下した人の食べ物としても最適な野菜。調理方法も生でも、煮ても、油と共に炒めてもよく、いろいろの料理に幅広く利用できる。
     ニンジン花拡大
   ニンジンの花 5弁の白い花

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物(朝日新聞社)
  ・生薬単 原島広至著(株式会社エヌ・ティ・エス) 
  ・食材図典(小学館)
  ・食材事典 廣田孝子監修(学研)


科目別の一覧