名前から探す ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行    
用途から探す 漢方薬 製薬基源植物 日本薬局方生薬 民間薬・薬用 ハーブ・サプリメント 香料・香辛料 食用と嗜好品 染色・繊維 油脂 鑑賞用・その他    

タイム/クリーピングタイム(Creeping Thym)

商品写真
上・下:大阪市立長居植物園
下:クリーピングタイムの唇形の花

タイム/クリーピングタイム(Creeping Thym) Thymus serpyllum Linnne
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     シソ科Lamiaceae イブキジャコウソウ属Thymus

別名:ワイルドタイム(Wild Thyme)、 セルピルルムソウ

利用部分 :全草(開花中)
利用   :ハーブ、薬用 観賞用
名前の由来 :クリーピングCreepingとは這いまわるという意味で、匍匐型のタイムにつけられた
       名。本種が匍匐して生育する様子からの名。

タイムはイブキジャコウソウ属に属する植物の総称で、多種多様の品種があるが、大別するとコモンタイムに代表される茎が直立する木立性と、匍匐型(クリーピング)のタイムに分けられる。
クリーピングタイムというと、通常本種Thymus serpyllum、別名ワイルドタイム 、セルピルルムソウのことを指す。

クリーピングタイムはヨーロッパ中南部、北アジア、北米の山地に自生する常緑の多年草。草丈は低く地面を這うように広がり、枝はよく分岐する。春〜初夏に分岐した茎の頂部から花穂をだし薄紫がかった淡いピンクの小花を多数咲かせる。花はシソ科特有の唇形花。上唇花弁は浅く2裂、下唇花弁は深く3裂、4本の雄蕊、先端が2裂した雌しべが花冠から突出する。

全草に精油、シモール、チモール、カルバクロールを含みよい香りがする。開花中の全草をセルピルルム草 Wild Thyme と称し発汗、駆風 香味料に使われる。 
精油はケンデル油と呼ばれ香りをつけた防腐剤として用いられる。


近縁種に日本をはじめ、東アジアの温帯から寒帯にかけての石灰岩、安山岩、蛇紋岩地帯の山地に自生ずるのがイブキジャコウソウ〈伊吹麝香草〉Thymus quinquecostatus Celakovsky。全体に精油の含有量が少ないので、コモンタイムや本種ワイルドタイムのような実用性はない。
イブキジャコウソウは滋賀県、伊吹山に多数自生することからイブキの名がつけられた。ちなみに伊吹山は日本百名山に数えられる。全山石灰岩からなる山で、良質の石灰岩が採石されている。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)  
  ・ヤマケイポケットガイド4 ハーブ 亀田龍吉著 (山と渓谷社)
  ・暮らしに役立つハーブ手帖 (MISASHI BOOKS)

科目別の一覧