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フダンソウ（不断草）

商品写真
上・中・下：大阪市立長居植物園　カラフルなフダンソウ　　下は花をつけたフダンソウ

フダンソウ（不断草）Beta vulgaris 　Linne ver cicla　Maq
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots
　　ナデシコ目Caryophyllales
　　　　 ヒユ科Amaranthaceae　フダンソウ属Beta（←アカザ科Chenopodiaceae）

Leaf Beet group

別名：スイスチャード（Swiss chard）

利用部分　：地上部（葉、茎）
利用　　　：食用
名前の由来：春、種を播き、成長した外葉から順次摘み取って初冬まで収穫できることから
　　　　　　フダンソウ（不断草)

地中海沿岸地方、中近東原産の1、2年生草本。肥大した根から砂糖をとるSugar Beet Groupのテンサイ（甜菜）と同じ仲間だが、こちらの.根は肥大しない。根ではなく、葉を食べるLeaf Beet
Groupの系統。

赤、黄、白などカラフルな葉柄と葉脈の葉はモダンな印象で、近年、海外から導入したと思われがちだが、日本へは江戸時代にはすでに渡来していた。しかし定着することはなく、普及しなかった。明治時代に入ってから再度、野菜として導入された。欧米では促成栽培もされるなど、比較的普通の野菜だが、日本ではまだ馴染みがうすく栽培も少ない。

草丈２０〜３０ｃｍ程に成長する。5月下旬ごろ花茎を伸ばしテンサイと同様小さな青い目立たない花を咲かせる。開花期は草丈６０〜８０ｃｍ程の高さになる。葉は光沢があり大ぶりで、鮮やかな色彩と共に一際存在感がある。他のハーブや草花と共に育てると、野菜としての実用面は無論、庭を明るく彩ってくれる。耐寒性はホウレンソウより弱いが耐暑性、耐乾性に優れ夏の葉菜として珍重される。春、種をまくと、5〜11月の初冬まで収穫できる。1株に8枚ほどの葉がつくと、外側の葉から摘み取る。摘み取っても次々成長するので重宝できる。成長しすぎると固くなり苦みが出るので、若い軟らかいうちに収穫したい。癖がない味はお浸しや炒め物、サラダにと利用できる。幼い葉はベビーリーフとして用いられる。

葉はビタミンＡ、Ｂ１、Ｂ２や鉄分、カルシウムなどのミネラルを多く含み栄養面でも優れている。食べておいしく、丈夫で育てやすく、カラフルで見ためも鮮やかなフダンソウは実用面からも観賞用としても、もっと利用したい野菜だ。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・暮らしに役立つハーブ手帖　（MISASHI BOOKS）
　　・食材図典　（小学館）

（コメント）
これ迄、植物を系統的に分類する方法ではシダ植物と種子植物、裸子植物と被子植物、単子葉植物と双子葉植物というような方法が親しまれてきたが、近年、ＤＮＡ配列に基づく系統関係から、従来とは異なる配列がとられるようになった。
ＡＰＧによる大分類で、１９９８年に最初の系統的分類ＡＰＧ�気�発表されてから改定が加えられ、現在は２００９年のＡＰＧ�靴�発表されるに至っている。
その結果、クロンキスト分類ではアカザ科に属していたがAPG分類ではアカザ科Chenopodiaceaeは全てヒユ科に統合されアカザ科は消滅したため、ビートの分類は、ヒユ科Amaranthaceaeフダンソウ属Betaになった。

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