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トマト/カラントトマト(Currant tomato)

商品写真
上・下:大阪市立大学附属植物園 カラントトマトの花と下は赤い果実

トマト/カラントトマト(Currant tomato)Lycopersicon pimpinellifolium Linne
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   ナス目Solanales
     ナス科Solanaceae トマト属 Lycopersicon

栽培トマトの先祖種
別名:フサスグリトマト


利用部分 :果実
利用   :食用
名前の由来:トマトの名はメキシコ語のtomito ペルー語tomateから。カラント currantは
      スグリ、グーズベリーのことで、房状になる実のなり方がスグリに似ていることから。

トマトは中、南米のアンデス地域が原産。ペルーやエクアドルなどアンデスの高原地域でこれらの野生種が栽培されるようになった。新大陸発見まで、メキシコをはじめ現地ではかなり古くから相当利用され栽培の品種も改善がされていた。16世紀にはヨーロッパに伝わったが、当初は赤い実のなる珍しいものとして観賞用に庭園で栽培されるにとどまり、長い期間食用に供されることはなかった。食用としての利用が始まったのは18世紀になってから。19世紀以降、イタリアで加工用の露地栽培はじまりイギリスなど低温や少日照への対応品種が発達した。北米へはヨーロッパを経て18世紀終わりから19世紀初頭に伝わり育種が進められ実用栽培が大規模に始まった。その後欧米では重要な野菜の一つとして急速に一般化していった。日本へは17世紀、中国や南方を経て伝わっていたが長く実用されなかった。野菜としての利用は明治以降になってから。

トマトの野生原種は緑色少果のリコペルシコン・ヒルスータム(Lycopersicon hirsutum)、赤色少果の リコペルシコン・ピンピネリフォリウム(Lycopersicon pimpinellifolium)がある、どちらも甘い。、果実が緑色のL. hirsutum はエクアドルからペルー中部が原産。成立は古く、熟しても赤くならない。 ペルー原産のL・ pimpinellifoliumの果実は赤色。これらの原種から耐病性などの有用形質が栽培種の品種改良に貢献した。本種カラントトマト(L‣ pimpinellifolium Linne)は今日私たちが食べている栽培品種の先祖種になり、小さな赤い果実が房状に実ることからカラントの名が付く。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・食材図典 (小学館)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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