ノジギク(野路菊)

商品写真
上・下:高知県桂浜の岩場に自生するノジギク
岩場の割れ目に根を下ろし咲くノジギク

ノジギク(野路菊)Chrysanthemum japonica (Makino) Nakai
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
  キク目Asterales
    キク科Asteraceae キク属Chrysanthemum 

利用部分 :全草
利用   :観賞用
名前の由来:牧野富太郎博士が、博士の故郷高知県仁淀川付近の路傍に咲いているのを見つけ、
      自生している場所に因みノジギクと命名。

兵庫県以西の本州の瀬戸内海、四国、九州などの太平洋側近くの海岸や山野に自生する日本の固有種。関東地方などには自生しない。海岸の崖や斜面など、潮風の当たる過酷な環境に自生している。発見者は日本の植物学の父と言われる牧野富太郎博士。

1884年(明治17年)博士の故郷、現在は高知から松山へのバス道に咲いている花を観て命名。当初は栽培菊の先祖と考えていたが、栽培の菊とは別種の日本の固有種であることが分かりjaponicaの名が付く。
その後、博士が姫路市大塩を訪れた際、ノジギクの大群落を発見。学会で発表するなどしたことで有名になり、これらに因み兵庫県はノジギクを県の花、県花に指定している。

ノジギクは多年草で地下茎を伸ばし増える。茎の上部でよく枝を分け、その頂部に白い花を1つずつ咲かせる。白い花びら状の舌状花は25~30枚程。中心の黄色い筒状花は多数集合して半円球になる。真っ白な花びらにくっきした黄色が映えて清楚な花だ。よく似た花にリユウノウギクあるが、ノジギクは海岸に自生する花なので葉は分厚く葉の切れ込みが多く基部は水平になっているので見分けられる。又リュウノウギクの葉をもむと竜脳に似た香りがするが、ノジギクはしないので区別できる。薬用にされる黄色い花のシマカンギクと異なり薬用にはされないが、由来など珍しい花でもあり、採り上げた。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・野草の名前 秋冬 高橋勝雄 解説(山と渓谷社)
  ・日本の野生植物 草本Ⅲ (平凡社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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