ボダイジュ（菩提樹）

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上・中：鶴見緑地　花博記念公園　
下・下：京都府立植物園　菩提樹の実りかけた果実

ボダイジュ〈菩提樹〉Tilia　miqueliana Maxim
真正双子葉類Eudicots ＞中核真正双子葉類Core Eudicots ＞バラ類Rosids＞アオイ群Malvids
　　　アオイ目Malvales
　　　　　アオイ科Malvaceae　シナノキ属Tilia

利用　　　：庭木
名前の由来：お釈迦さまが悟りを開いたボダイジュの木として中国から渡来。

寺院の境内でよく植えられているボダイジュ。樹高15ｍ程になる落葉高木。中国が原産のアオイ科シナノキ属で、釈迦が木の下で悟りを開いた本来のボダイジュではない。お釈迦さまの誕生、悟り、涅槃にかかわる三大聖樹の一つ、悟りのボダイジュは、インドやセイロンビルマなどに自生するインドボダイジュ（単にボダイジュと通称）。仏教が中国にわたるにつれ、中国原産のシナノキ属の本種がボダイジュに置き換わり、そのまま中国から日本にボダイジュとしてもたらされた。熱帯地方のクワ科のボダイジュは寒さに弱く日本では露地栽培は難しかったのかもしれない。
葉は三角状で広い卵形、長さ5～10ｃｍ。葉の裏は毛が密性知白っぽく見える。花の開花は6月頃、淡い白いウ白いへら状の苞葉の真ん中から花茎を伸ばした散状花序に、花弁とがく片は5個、雄蕊は多数の黄白色の花を咲かせる。びっしりと垂れ下がって咲く花は良い香りがし、木の下に入ると花の笠に入ったようで何となく宗教的な雰囲気が漂う。もう1つボダイジュの名がある木にシューベルト作曲の菩提樹「リンデンバウム」（泉に添いて　茂る菩提樹　したいゆきては　うまし夢見つ・・・）がある。こちらは、ヨーロッパの都市に植えられているセイヨウシナノキ（西洋菩提樹）菩提樹(Linde)を歌ったもの。私たちが思う菩提樹で表される木には３とおりの木があるということになる。

花後、ほぼ球形の果実が実り、数珠の材料になる。

インドボダイジュ（印度菩提樹）Ficus religiosa　Linne　
　　真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群 Fabids
　　　バラ目Rosales
　　　　　クワ科 Moraceae　イチジク属 Ficus

お釈迦さま“悟りの木”

　　　　　インドボダイジュ市大

　　　　　Photo：大阪市大附属病院　インドボダイジュ

インド、セイロン、ビルマなどに生育する常緑の高木。
お釈迦さまが苦行の末、この木の下で悟りを開いたという菩提樹はクワ科のインドボダイジュ。
仏教では神聖な樹として崇められ単にボダイジュといわれ、インドでは各地に植えられている。しかし日本では、同じボダイジュの名がある、アオイ科シナノキ属のボダイジュTilia miqueliana Maximが、お寺などに植えられているので間違いやすい。仏教が中国に伝わるにつれ仏陀が悟りを開いた樹として、中国から日本へ臨済宗の開祖栄西によってシナノキ属の菩提樹がもたらされた。クワ科のボダイジュは寒さに弱く日本では露地栽培は難しかったのかもしれない。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・日本の樹木　（山と渓谷社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

(コメント）
従来の分類(Synonym)では、ボダイジュはシナノキ科Tiliaceaeとされていたが、近年の分類ＡＰＧⅢの分類では、シナノキ科Tiliaceaeはアオイ科Malvaceaeに含まれ、シナノキ属Tiliaになった。

ボダイジュ（菩提樹）

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