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キュウリ/ケマキュウリ(毛馬胡瓜)

商品写真
上・下:大阪市立大学附属植物園 ケマキュウリの花

キュウリ/ケマキュウリ(毛馬胡瓜)Cucumis sativus Linne.cv.Kema
 真正双子葉類 Eudicots>中核真正双子葉類Core Eudicots>マメ群Fabids
     ウリ目Cucurbitales
       ウリ科 Cucurbitaceae キュウリ属Cucumis

英名:cucumber

利用部分 :果実
利用   :食用
名前の由来:胡(西域)から伝えられた瓜の意味。
      摂津国毛馬村(現・大阪市都島区毛馬町)原産のキュウリ。なにわの伝統野菜の1つ

現在はハウス栽培で通年出回るが、本来は夏にとれる野菜。キュウリの90%が水分でカロリーはほとんどなく栄養価としては低いがシャキシャキした歯ざわり、鮮やかな緑が夏場の食欲を増進してくれる。
栄養素は乏しいが数種のビタミン、ミネラルが含まれている。特に多いのはカリウム、体内の余分なナトリウムを排出して、高血圧を改善してくれる。キュウリに少量の塩分をきかし生で齧ると体を冷まし熱中症予防になる。キュウリにはアミノ酸の1種シトルリンが含まれる。シトルリンは一酸化窒素(NO)を作る働きがあり、血管を拡張させ、血流を良くする。疲労回復にもなる。またビタミンCによる、抗酸化作用も期待されるなど、様々な効果が期待できる。

1年を通じて私たちの食卓に上るキュウリ、その食用としての歴史は古く3000年以上前からすでに栽培されていた。原産地がインド西北部のヒマラヤ地方。そこから東西に伝播し東はヨーロッパに。西は中国に伝わり、日本へは中国を経て9〜10世紀頃渡来していた。
紀元前には南ヨーロッパに、後9世紀にはフランスに入り16世紀にはいるとヨーロッパで盛んに栽培が行われるようになった。中国へは2世紀、張騫が西域から持ち帰ったのが最初。

キュウリは雌雄同株の蔓性の1年草。雄花、雌花は別々の節につく。長い栽培の歴史の中で多くの品種ガ生み出され、果実の形状には様々。多くの品種があるが華北型、中華南型、ピックル型の3系に分けられその中で華北型、華南型で交雑が起こり、現在市場の主流は交雑種夏型雑種の白イボ(棘)になっている。本品種ケマキュウリは交雑種春型雑種で本来の華南型に比べ生育が早く一般に繊細な感じ。かつては春型雑種は関西、北陸、東北でも広く栽培された。関西では毛馬、聖護院、北陸では石川県の加賀太、新潟県の刈羽などが有名。

ケマキュウリは現在の大阪市都島区毛馬町が起源。江戸時代から栽培されていた記録があり、現在“なにわの伝統野菜”に指定されている。主に漬物用として粕漬けに珍重されていた。

張騫(ちょうけん)(誕生不明〜紀元前114年)
司馬遷の史記に登場する前漢時代に活躍した政治家。漢の武帝は匈奴防衛に備え、西方の大月氏と同盟を結ぶため張騫を使者として派遣した。大月氏へ向かう途中匈奴に捕らえられ10数年間捕虜として過ごし、後脱出に成功し、大月氏国に赴いたが既に状況は変わり大月氏との同盟はならなかった。その後中国に帰還した。同盟という当初の目的は果たせなかったが、張騫がもたらした西域の情勢、文化や文物などの情報は、その後の中国の西域進出に大いに役立った。
張騫が遠征した道は後開かれるシルクロードの基となった。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・食材図典 (小学館)
  ・食材事典 廣田孝子監修(学研)
  ・採れたて野菜手帳(NHK出版)

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