名前から探す ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行    
用途から探す 漢方薬 製薬基源植物 日本薬局方生薬 民間薬・薬用 ハーブ・サプリメント 香料・香辛料 食用と嗜好品 染色・繊維 油脂 鑑賞用・その他    

ビャクダン(白壇)

商品写真
上・下:武田薬品 京都薬用植物園温室 ビャクダンの花と蕾

ビャクダン(白壇)Santalum album Linne
 真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots
  ビャクダン目 Santalales
  ビャクダン科 Santalaceae  ビャクダン属 Santalum

生薬名  :ビャクダン(白壇)
利用部分 :心材 樹皮
利用   :香料、ビャクダン油、工芸品
名前の由来:Santalum はアラビア語Santalから 、albumは白いの意味で材が白いための名。

熱帯の乾燥した不毛地、岩山、疎林の中などに自生する。
葉緑体を持ちながら根の一部は吸盤になっていて、イネ科、アオイ科などの他の植物の根に接触寄生する半寄生植物。ビャクダン科の大部分は半寄生で宿主の種類あまり限定されない。まれにヤドリギのように樹上に寄生するものもある。

原産地は本来ジャワ島の中東部からチモール島にかけてで、現在、ビャクダンの主生産地のインド南部のマイソール、マドラス地方のものは古く移植されたものや、それらが野生化したもの。

樹高3〜4m程になる常緑の高木。直立した幹にしなやかな枝を垂れぎみに広げた樹冠は丸く美しい。熱帯地方では庭木にもされる。淡緑色、楕円形の葉は形も整い、やや長い葉柄があり対生する。枝の先に集散花序をつけ、花を咲かせる。花の花弁はない。やや四角ばった長さ3〜4mmの花被筒の先端が4つに裂け外側に反り返る。花被筒の内側は暗紫色、外側は黄緑色をしている。花の後、丸い実がなり中に1個の種子が入っている。

材は白いが心材は淡黄色〜淡い褐色で堅く光沢と香気がある。この心材の部分が白檀として古来から珍重される。特に根の部分の心材は香気が強い。東洋特にインドでは宗教と深く結びつき、香材として用いられる。ビャクダン材で仏像や扇、装飾用彫刻を作る。薄片は粉末の薫香とし、末香、練香、線香に加える。

材の粉末を水蒸気蒸留するとビャクダン油が得られる。収量は心材で3%、根部で5%ほど、薬用としてまた化粧品、石鹸などの香付けに用いられる。ビャクダンの香りは容易に消えないという特性がある。
“栴檀は双葉より芳し“の栴檀は本種ビャクダンのことで、センダン科のセンダン(栴檀)ではない。センダンの子葉には香りはない。

成分
  精油(ビャクダン油)3〜5%
    αサンタロール、βサンタロール

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著(広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)



科目別の一覧