トウガン（冬瓜）
トウガン（冬瓜） Benincasa cerifera Savi forma emarginata K. Kimura et Sugiyama
真正双子葉類Eudicots ＞中核真正双子葉類Core Eudicots ＞マメ群Fabids
ウリ目Cucurbitales ウリ科 Cucurbitaceae トウガン属Benincasa
生薬名 ：�．肇Ε�シ（冬瓜子）
利用部分 ：�ー鏤辧´�果肉
利用 ：�‘�本薬局方生薬、民間薬、漢方処方用薬 �⊃�用
名前の由来：夏に収穫したものをそのまま冷暗所に保存しておくと、冬まで保存できる
からとも、瓜の表面の白い粉を雪にたとえたとも、とする説など。
トウガン属は世界でこのトウガン１種のみ。インド原産。アジアの温帯、熱帯に分布するつる性の1年草。食用として日本に渡来した。平安時代にはカモウリ（加毛宇利）の名で記録があるなど古くから栽培されてきた。味はあっさりしている。つる性の茎は地上を這い６〜７ｍにもなる。初夏にヘチマに似た黄色の雄花と雌花をつける。１本の蔓に多くの花を咲かせても結実するのは僅か。果実は果皮の硬いうり状果。大きいものでは長さ３０ｃｍ、重さ１０ｋｇになるものもある。
トウガンの果実は若いうちは表面に毛が密に生えているので青いが、熟するとロウ物質が分泌されうっすらと白い粉が表面を覆う。
この白い粉は「ブルーム、果粉」と呼ばれ、果皮から水分の蒸発を防ぐ働きをする。カキ、ブドウ、ブルーベリーもこのブルームがみられる。
果肉は白く厚い。殆ど９５％が水分で低カロリー。味も淡白で殆どなく和食、中華料理の煮物、あんかけ、蒸し物など他の味を含ませる料理に用いられる。
種子は薬用になる。利尿効果があるので、昔からむくみとりに良いとされてきた。トウガンの種子をトウガシ（冬瓜子）といい、体を冷し、熱をさます効果があり、消炎性利尿薬、緩下薬にする。
循環器障害によるむくみ、咳、痰にも用いられる。
主要成分
・脂肪油：オレイン酸、リノレン酸
・トリテルペン：イソマルチフロレニルアセテート
・その他：アデニン、トリゴネリン、安息香酸配糖体など
漢方処方例
大黄牡丹（だいおうぼたんぴとう）
腸癰湯 （ちょうようとう）
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・第15改正 日本薬局方解説書 （広川書店）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・生薬単 原島広至著 （株式会社エヌ・ティ・エス）
・植物分類表 大場秀章 編著 （アボック社）
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