ナス（茄子）
ナス（茄子）Solanum melongena Linne
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids＞シソ群Lamiids
ナス目Solanales
ナス科Solanaceae ナス属Solanum
夏野菜の代表
生薬名 ：�．淵好織ぁ焚懈�）
利用部位 ：�．悒拭´⊆�
利用 ：�〔唄嵶屠 ´⊃�用
名前の由来：「為す」「成す」よく成る、実がよくなるという言う意味。
ナス科の植物には有用なものが多い。私たちの食卓に不可欠の野菜の多くが、この仲間。野菜ではナス、トマト、ジャガイモ、ピーマン、トウガラシなど。
嗜好品ではタバコ。医薬品資源植物ではベラドンナ、ハシリドコロ、ヒヨス、チョウセンアサガオなど、また民間薬のクコも、花壇で人気ペチュニアもこの仲間。
こうして数え上げると薬用にも、食用にも観賞用の園芸草花もあり私たちの生活に深くかかわっているグループの植物といえる。
ナスの原産地はインドだといわれている。広く熱帯、温帯各地で栽培する。日本への渡来も古くはっきりとはしないが８世紀の頃には記録がある。東大寺正倉院の古文書に記録が残されているほど。最も古くから栽培されている野菜の１つといえる。
ナスは紫色の5角形の花を長い柄のある葉のかげに隠れて咲かす。ナスの実には緑色、白色などなどがあるが私たちに馴染みのあるのはつやつやと光沢のある濃紺の紫、ナス紺のナス。
一般に栄養価はすくないが、ナスのナス紺はナスニンと青褐色色素のヒアシンいうアントシアン色素の一種で抗酸化作用がある。
ナスを切ってしばらくおくと変色するが、此の原因も含有するポリフェノールのクロロゲン酸によるものでこれも抗酸化作用がある。
このように考えるとナスはアンチエイジングに役立つ健康食品ともいえる。
料理の際は皮ごと調理をしなければ意味がない。
ナスの蔕はナスタイ（茄蔕）といい漢方では収斂性防腐薬に用いる。ナスのヘたの黒焼きを 粉末にしたものが歯磨き用に市販されている。歯槽膿漏によいとされ、歯と歯茎の健康に推奨される。生のヘタの切り口でこすっているとイボ取にもなる。
色変わりのナス 品種名：コウシエン（甲子園）
Solanum melongena cv Kohshien
Photo：京都府立植物園 丸いナス
利用 ：観賞用
名前の由来：白く丸い実を野球の白球に例えて熱戦が行われる甲子園にちなんだ名。
ナスは元々熱帯では多年草だが日本などの温帯では１年草作物として栽培される。本種はその園芸品種で形や色の特異的な色や形から、観賞用に栽培される。花は作物用のナスと同じ、淡い紫色。はじめは白い実が熟すると黄色くなる。その様子はあたかも１本の幹に、白、黄と２種類の実が混生しているように見える。実際は成熟の時期が異なるだけ。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・花と樹の事典 木村陽一郎 監修 （柏書房）
・日本の野草全書 中山草司 (啓明書房)
・植物分類表 大場秀章 編著 （アボック社）
所属「科」などは近年の遺伝子ＤＮＡ配列に基づく、新分類体系ＡＰＧ�景�式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています（Ｔ．Ｋ）