ツルドクダミ（蔓蕺草）
ツルドクダミ（蔓蕺草）Fallopi multiflorum (Thunberg) Haraldoson
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots
ナデシコ目Caryophyllales
タデ科Polygonaceae ソバカズラ属Fallopia（←ツルドクダミ属 Pleuropterus）
生薬名 ：カシュウ(何首烏)
利用部位 ：塊茎
利用 ：日本薬局方生薬 、漢方処方生薬
名前の由来：葉がドクダミに似たハート型をして、ツル性の植物であることから。
（但しドクダミはドクダミ科、ツルドクダミはタデ科で類縁関係はない。）
カシュウ(何首烏)の名は唐の時代、泰山に住む何（カ）という老人がツルドクダミの
塊根を摂ってから白髪が烏のように黒くなったという故事にちなんだ名。
現在も育毛剤にも外用される。
中国原産の落葉ツル性植物。生薬名カシュウ(何首烏)の名が示すように不老長寿薬として人気が高く、江戸時代、生薬の国産化を目指した八代将軍吉宗の命により中国より薬用として取り寄せられ、各地で栽培された。
後、日本の風土に合ったのか、野生化し全土の山野に自生するようになった帰化植物。茎が長く伸びて蔓になる多年草。根茎が長く土の中を横に走りサツマイノのような大きな塊茎を付ける。
花期は夏〜秋、ドクダミと名が付くが、タデ科のため花はドクダミと全く異なる白色の小さい花が円錐花序に多数集って咲く。花などはイタドリの仲間と似るが茎はつる状に伸びる。
肥大した塊根をカシュウ（何首烏）と称し、漢方では補精、強壮、解毒、緩下薬とする。高脂血症、精神病、不眠症、その他育毛にも外用される。
成分
・アントラキノン配糖体としてクリソファノール、アロエエモジン、エモジン
・スチルベン配糖体、フラボン など
応用
貧血による眩暈や頭痛、不眠を治す漢方処方に配合されている。
・漢方処方例
当帰飲子（とうきいんし）
・薬用酒
・育毛剤 など
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・第１５改正 日本薬局方解説書 （広川書店）
・最新生薬学 刈米達夫著 （広川書店）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・生薬単 原島広至著 （株式会社エヌ・ティ・エス）
・野草の名前 秋冬 高橋勝雄 解説（山と渓谷社）
・日本の野生植物 草本�供 癖針渕辧�
・山野草 ハンドブック 伊沢一男著（主婦の友社）
・日本薬草全書 水野瑞夫監修 田中俊弘編集（新日本法規）
（コメント）
此れまでの慣れ親しんできた分類ではタデ科Polygonaceaeの中のツルドクダミ属Pleuropterus、タデ属polygonum、イタドリ属Reynoutria の各属は、ＡＰＧ�靴諒�類ではソバカズラ属Fallopiaとしてまとめられた。
所属「科」などは近年の遺伝子ＤＮＡ配列に基づく、新分類体系ＡＰＧ�景�式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています（Ｔ．Ｋ）