ヒオウギ（檜扇）
ヒオウギ（檜扇）Belamcanda chinensis Leman
単子葉植物 Monocots
キジカクシ目（クサスギカズラ目）Asparagales
アヤメ科 Iridaceae ヒオウギ属 Belamcanda（←アヤメ属）
夏祭りの花
生薬名 ：ヤカン（射干）
利用部位 ：�〆� ��花期の全草
利用 ：�〔唄嵬堯´∪犬渦屐ヾ兢淪僉�
名前の由来：剣状の厚い葉が扇を開いたような形になることから。
ヒオウギ属（Belamcanda）で１属１種。暖地に自生または栽培するアヤメ科の多年草。本州西部、九州、四国から台湾、中国、インド北部まで分布する。
端正に並んだ剣状の葉は長く扇状に広がり檜扇を連想させる。草丈６０〜１２０ ｃｍ程度。花期は真夏、７〜８月ごろ、オレンジ色で赤い斑点のある花を次々に咲かせる。午前中に咲き夕方にはしぼむ一日花である。花のあとは、「ぬばたま（射干玉）」といわれるまっ黒で艶がある種子ができる。ヌバとは黒色を表す古い言葉で万葉集では、黒髪などの黒や夜などの枕詞に用い、多くの歌が詠まれている。
山部赤人の和歌にも「ぬばたまの夜の更けゆけば久木おふる 清き川原に 千鳥しば鳴く」と詠われている。
うばたま（烏羽玉）、ぬばたま（射干玉）の名で知られている。射干玉、烏羽玉には魔よけ、邪気除けの力があると信じられた事から、魔よけ、厄除けの祭り、京都祇園祭りには各家々でヒオウギ（檜扇）の生け花を飾る。
万葉の花として有名なヒオウギ（檜扇）は、その太い根茎をヤカン（射干）と称し漢方では扁桃腺炎、その他、口内炎、緩下薬などにする。
主な成分
・配糖体： ベラムカンジン、イリジン、イリゲニン
・精油成分
主な効果と応用
咽頭痛、扁桃腺の腫れに消炎、解熱効果があり、風邪の咳や咽喉の痛みに用いられる。
利尿や、緩下作用もある。
名前の由来 檜扇
多賀大社 巫女の奉納の舞 鈴と檜扇を持って
Photo：多賀大社
お雛様 女雛の檜扇
Photo：篠山市 武家屋敷展示
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・最新生薬学 刈米達夫著 （広川書店）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・野草の名前 夏 高橋勝雄著 （山と渓谷社）
・万葉の花 松田修著 （保育社）
（コメント）
遺伝子DNAに基づく新分類体系､APG�景�類ではヒオウギは従来アヤメ科アヤメ属であったがアヤメ科Iridaceae ヒオウギ属Belamcandaとなり分離された。
所属「科」などは近年の遺伝子ＤＮＡ配列に基づく、新分類体系ＡＰＧ�景�式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています（Ｔ．Ｋ）