シオン（紫苑）
シオン（紫苑）Aster tataricus Linne
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids
＞キキョウ群Campanulids
キク目Asterales
キク科Asteraceae シオン属Tanates
生薬名 ：シオン（紫菀）
利用部分 ：�〆� 全草
利用 ：�〔�用 ��観賞用
名前の由来：中国名、紫菀をそのまま音読みにした名。
人の背丈よりも高く２ｍ程にもなる、薄紫の野菊の一種。野菊の可憐な優しさとは一味違った風情がある。伸びやかで勇壮な花は日本庭園にも、洋風の庭どちらにも良く似合う。
日本の在来種ではなく、元々は、鎮咳、去痰の薬用にするため、朝鮮半島か中国かから導入された。
平安時代初期の「本草和名」に名前が登場することから、奈良時代かそれ以前にすでに渡来していたと考えられる。花が美しかったので、観賞用に栽培され、普及につれ野生化していった。
中国、ロシア、朝鮮半島が原産国。丈高く伸びる茎には長楕円形の葉が互生する。葉柄はないが下部の根生葉には長い葉柄がある。茎の上部は枝別れし更に、多くの花柄が分岐し花を付ける。
全草に紫苑サポニン（アステルサポニン、シオノンなど）が含まれる。根をほり上げ、日干し乾燥し鎮咳、去痰薬にする。
―詩仙堂―
京都洛北一乗寺にあり、江戸時代前期、石川丈山が造営し晩年を過ごした山荘跡。石川丈山は徳川家康に仕え、関ケ原の合戦、大阪夏の陣でも活躍したもと武士。大阪夏の陣を最後に武士を隠退し、朱子学や禅を学び、儒学者、藤原惺窩にも師事し丈山と号した。丈山59歳の時、洛北一乗寺に山荘を造営。90歳で没する30年間、文人として悠々自適の生活を送り、漢詩や書に勤しんだ。我が国の三十六歌仙に倣って中国の漢晋唐宋時代の詩人三十六人の肖像を狩野探幽に画かせ、各詩人の肖像に対し丈山が漢詩の賛を隷書で書いている。三十六人の詩人の肖像が掲げられた詩仙の間があることから詩仙堂と言われている。
近くには宮本武蔵と吉岡一門が決闘した場所“一乗寺下り松”がある。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・野草の名前 秋冬 高橋勝雄 解説（山と渓谷社）
・家庭の民間薬･漢方薬 水野瑞夫・米田該典共著（新日本法規）
・植物分類表 大場秀章 編著 （アボック社）
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