ミヤマカタバミ（深山片喰 深山傍食）
ミヤマカタバミ（深山片喰 深山傍食）Oxalis griffithii Edgew. et Hook.f.
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞バラ類Rosids＞マメ群Fabids
カタバミ目Oxalidales
カタバミ科Oxalidaceaeカタバミ属Oxalis
利用部分 ：全草、根
利用 ：観賞用、民間薬
名前の由来：平地でよくみられるカタバミと区別しミヤマ。葉は睡眠運動を行い、日が陰ると葉が
たたまれ片側が食べられたように欠けることからカタバミ。
カタバミは世界中に分布する雑草のような存在。種でも根でも増える旺盛な繁殖力と極めて強い性質とから道端、庭先、植木鉢の中までどのような環境にでも適応し生える。
しかしミヤマカタバミは必ずしも深山という訳ではないが、平地で見かけることはない。大体、本州、四国、九州の山地の湿った森や林の木陰、林床に自生している。ヒマラヤや中国まで分布を広げる。黄色やピンク色が多いカタバミだが、ミヤマカタバミは、白い花をうつむき加減に咲かせる。薄暗い山地の林床に白い大ぶりな花は清楚で目立つ存在。
花弁は５枚、白い花弁に細い淡紫紅色の筋が入る。萼片も５枚。雄しべは１０本、１本の雌しべの柱頭は５裂する。花後の実は熟すと種を飛ばして分布を広げるが、山地のカタバミ類は増殖しにくい。地際にある地下茎は太く、根際から直接花茎や葉柄を出す。葉はハート型で３枚セット。１つ１つが葉柄についている。葉は睡眠運動を行い、日が陰ったり、雨に打たれたりすると葉を閉じるのが特徴で名前の由来にもなっている。
カタバミ類の葉をかじると酸っぱい。全草にシュウ酸を含んでいる。シュウ酸が単離されたのはカタバミからであるとされる。そのためにシュウ酸のことをoxalic acid と呼ぶ。
山地の植物でもあるので、薬用や食用などの実用的な利用は少ないが、解毒作用が認められる。
近縁植物
カタバミ（片喰 傍食）Oxalis corniculata Linne
カタバミ科Oxalidaceae カタバミ属Oxalis
Photo:高知 御厨人窟 弘法大師修行の地
道端や空き地、畑の畔などいたるところに生える。よく見かける花。小さな黄色い花は日の光を受けて上向きに咲く。葉は休眠運動をするので、夕方や天気の悪い時は葉を折りたたんだようにすぼめる。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・野草の名前 春 高橋勝雄著（山と渓谷社）
・日本の野生植物 草本�供 癖針渕辧�
所属「科」などは近年の遺伝子ＤＮＡ配列に基づく、新分類体系ＡＰＧ�景�式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています（Ｔ．Ｋ）